篠田真由美お仕事日誌

Sherlock S4E3/感想

終わった終わった。祭りの後感強烈なラストだった。ばたばたと畳みまくってくれたものよ、というか。レストレードのgood man 発言とか、後で使おう的なフックはいくつか用意されていたんだろうけどね、シリーズ全体の構想があったなんて聞いても信じないよ。あれくらい、後付けでいくらでもつけられるもん。自分が建築探偵畳んだ時の経験から申しますけどね、ある程度やってればそんな伏線紛いのなにかなんていくらも拾えるものなの。別にいいけど、S3E3の帰ってきたモリアーティはなんだったのだ。シャーロックがマインドパレスを過去までさかのぼっちゃった案件まで、見事に腰砕けのすっとぼけだもんね。
面白かったといって誉めた点を後でちゃぶ台返し。ライヘン・トリックの肩すかしとか、真面目に考えた方が馬鹿みたいじゃんって、何度もそういうことやるのは、洒落を通り越してつまんないと思う。どんでん返しってすごく毒がある手法なわけよ。物語の真実性を犠牲にして驚いてもらうわけだから、やりすぎれば麻痺するだけ。真面目に視聴者やっちゃいられんよ、とね。ま、ユーロスが録画を流しました。それだけですってことなんだろうけど。フェイスに化けたユーロスが残していったメモに、Miss Me? って書いてあったからそれが答えってことなのでしょう。なんかどうでもいい。

取り敢えずE2までのことは水に流した、のでしょう。のですよね。探偵のばっちい無精髭もめでたく消えたことだし、ジョンも普通に221bにいる。お兄ちゃんの傘の仕込み剣もピストルもばっちり出して拍手? ホラー映画ごっこは内輪受けっぽくて、自分はあんまり好きではないけど、楽しめる人もいるでしょう。
そこから一昔前の戦争物かスパイものか、はたまた天知茂の明智小五郎の変装か。三人組はシェリンフォード監獄へ潜入。といっても、あれ? このときまだ監獄がユーロスに掌握されていると考えてなかったら、潜入する必要ないじゃない。マイクロフトはえらいさんなんだから、堂々と表玄関から行けばいいだけだよ。ユーロス掌握の可能性を考えているなら、なおさら小人数の突入は危険すぎるだろ。それに、そう考えていたとしたら三人とも無防備すぎるだろ、とまあ、いきなり突っ込みどころが多いこと多いこと。
そしてユーロスの仕掛けるゲームはゲームになってません。ジムのゲームが怖かったのは、向こうがルールを守っていたから。正解すれば人質は助けるなら、正解できなかったら人質は殺される、こちらのせいで殺されるということになる。だから必死にならざるを得ない。ところがユーロスはやりたい放題。どっちにしても殺されるのに、真面目に付き合うやつがいるかい。なんでこの人たちは唯々諾々ということ聞いてるわけ? と思うとのれない。
おまけに出てくるのは、推理どころかただの無理難題。モリーに「愛してる」といわせろ、なんて、女の子のいじめの発想だ。そこがユーロスらしいといいたいのかもしれないが、そんなの天才でも何でも無い。ただのたがの外れた人殺し。女優さんはその、たがの外れた感を好演してるけど、見ていて面白いとは思えない。サイコホラーは嫌いなんでね、好みの問題だけど。
飛行機でただひとり目覚めた少女が助けを求める、というのはなかなかいいシチュエーションだと思うんだけど、こっちのドタバタした妙な殺人ゲームのおかげで、注意が二分されてしまって、そちらでハラハラとはいかない。そのあげくは「架空でした」といわれて、またまた肩すかしを食わされる。そりゃまあ現代のヨーロッパの空で、旅客機が何時間も無線を切ったまま漂流しているなんてあり得ないんで、そこからおかしいと推理できるでしょ。それくらいなぜ気がつかないシャーロック。ユーロスにマインドコントロールされてるのか。
ラストのシャーロック失神から解決に至る展開は、誉めていえば「畳みかけるような」だけど、実は「疑問を挟まれると崩壊するから、とにかくバタバタと」じゃないの。墓石の暗号は納得してる暇が無い。あの水の勢いじゃ、間違いなくジョンは溺れ死んでる。おまけにロープを投げられても、鎖で繋がれてるんじゃ助からない。まあ、その前に水は止めたんだろうけど。毛布は完全にS1E1の再現だろうけど、レストレードの発言もそうだろうけど、なんかもうどうでもいいや。
なるほど、シャーロックはどんどん普通の人になる。ついには普通から通り越して、聖母のような人になる。ジョンかマイクロフトを殺せとまでいわれた相手を、血の繋がった妹だからって抱きしめる。無理無理無理。無理すぎる。そしてマイクロフトも失墜。弱さをさらしたあげく、母親にまで罵倒される。ユーロスをああいう形で救うなら、彼女はあそこまでの大量殺人者にするべきじゃない。旅客機の少女の救出というネタだけでシャーロックを翻弄して、その実救われたいのはユーロス自身だった、という落ちにすればまだしもだったのに、見えてる範囲でも所長と妻、三人ガリデブ、少なくとも5人は殺してる。それでいいのかね。
最後の畳みはね、おしまいですよ〜としか見えなかった。ああ、老けたね、ベン。

あれこれいうのも愛ゆえ、というところも、通り過ぎてしまった気がします。気を取り直して、S4を通して「いいところ」を上げてみようかと思ったけど、同じ愚痴を繰り返す羽目になりそうなので止めて、取り敢えず今回はこれで終わります。S1に戻って分析、というのもいずれやりたいけど。ピンクとかね、ミステリ読みからすると突っ込みどころは実は色々ある。でもま、それもいずれ。

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