篠田真由美お仕事日誌

2017.05.24

 出かけた日の翌日はちょっとだるい。曇って気温は下がってきたが、湿度が高くて梅雨に一歩近づいたような気分がする。もちろん梅雨は来ないとならないんだけど。

 三津田信三制作「ワールドミステリーツアー13」アメリカ編でお勧めされていたホラーのうちの、ネット古本屋で入手できた中の1冊を読了した。

『湖底の家』 スチュアード・ウッズ 文春文庫 1993

 途中から、こりゃだめだ感が強くなってきたので、斜め読みしてしまった。キングと比較したら無理でしょ、ということなのかもだが、つまらないのだ。ピューリッツァー賞を受賞したジャーナリストが、一線を退いて小説家になったものの、あまりうまくいかないまま時間ばかりが過ぎて、しょうもないフライドチキン会社の社長の自叙伝をゴーストライトすることになり、妻の兄が所有する田舎の湖畔の別荘に来るが、そこは電力会社を所有する孤独な金持ち老人が好き勝手に作り上げた町で、湖さえ彼の作った人造湖。ところがそこには、過去を隠したがる住人や腹に一物の保安官、飲んだくれのカトリック神父、奇妙な魔女一家などがいて、さらに主人公が顔を知っていた新人女性記者が、保安官事務所に潜入調査していた。湖ができる前の村は、アイルランド人が入植した閉鎖的小村で、最後まで立ち退きに抵抗していた一家が不可解な消え方をしていることがわかる・・・
 問題は、ハンド・ヒーリング能力やテレパシー能力を持っている魔女の一家とか、主人公の小屋に現れる幽霊とかの、超常現象がまったくリアリティを持たないことで、要するに作者はそういう要素を、ただ持ってきてはめ込んでいるので、自分にはそんなものに興味が無いというのが丸わかりになってしまう。たまたま知り合った一家を食後の一杯に誘うと、唐突に「降霊会をやりましょう」という話になって、また都合良く重いテーブルが踊って、怪しい現象が起きるあたり、失笑するよりため息が出て、こりゃダメだと思って後は斜め読み。
 超常現象を抜いた部分は、主人公に都合良くセックスシーンが繰り返されることとかに目をつぶれば、まあそんなにすごくつまらないというほどではないので、無理に幽霊とか出さなければもう少しましな印象になったかもしれないが、どっちにしろ怖くも恐ろしくもない、中年おっさんの願望充足小説でした。もちろんこれは、個人的な感想でありまするよ。

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