篠田真由美お仕事日誌

2018.08.19

 今日も図書館に行こうかと思ったが、玄関を開けていたら良い風がはいるし、気温も高くないので仕事場で原稿続行。だいぶ進んだ感じはあるのだが、徐々に伸びつつあるのが困った。まあ、これは連作書き下ろしアンソロジーの設定作りの叩き台だから、このままでは出せないものなのだ、たぶん。

 

 沖縄行きたいよ行きたいよといいながら、沖縄本をまとめて読んでいる。でも少し涼しくなってきたら、今度は温泉行きたいよ行きたいよ、という声が耳元で聞こえてきた。要するに、夏疲れが続いているんですわ。

2018.08.18

 今日もまだ湿度少なめのさわやかな天気は続いているが、月曜からはまたムシムシが戻るらしく、いまからちょっと憂鬱であります。でも、それじゃ涼しくならない方が良かった? といわれると、いえいえそんなことはございません。しかし陽射しは強いね。今日はジムで、その後にジムのわりと近くにある図書館へ。となりの市だけど貸し出しカードは作れるので、そこにしかない本を借りるときには使うのだが、この図書館、駅から12分といっても、その道が大変単調で面白くない直線道路でしかも上り坂。この炎天下を歩くのは嬉しくないので、車で回ってもらう。ついでに、図書館のある公共施設にくっついたレストランに全然期待せずに入ったら、もろ武蔵野うどん、手打ちの肉うどんがあって、650円にしてはわりといけた。武蔵野うどんというのは、埼玉や東京都下の地場の小麦粉を使う手打ちうどんで、色は薄黒く太めで固め。

 いまネットを見ていたら、福岡、佐賀のうどんはやわらかで腰がなく、なんと40分もゆでるのだという。40分茹でて溶けちゃわないというのも驚くが、うどんというのもずいぶんと振り幅の大きい食べ物である。蕎麦がやわらかい方がいいという人は、あんまりいないと思うから、うどんの方が多様性があるよね。ちなみに自分の好みでは、讃岐うどんは腰がありすぎて食べにくい。武蔵野うどんも、ハードなのはかなり太くて固く、これも腹にもたれる気がする。京都のうどんはやわくて好き。ゆばとか、たまごとか、ほんやらとしたやつは寒いときに特に身体があたたまる。でも一番好きなのは、やはり細めで透明感があってのどごしも良い、稲庭うどんでありましょうな。

 図書館で借りてきたのは、先日読んだフレンチ・ミステリ『黒い睡蓮』と同作者の『彼女のいない飛行機』。一度読めば済むものはできるだけ図書館で済ませることにしたのでした。

2018.08.17

 昨日の夕方雨が降ってから急に空気が入れ替わった感じになり、晴れていてもわりと涼しいよ、となったのだけれど、それでは頭が冴えてばりばりかというと全然そんなことはなくて、むしろ疲れが出ましたというか、昼寝してしまったりぼーっとしてる。

 

読了本『徴産制』 田中兆子 新潮社 作家も全然知らない人だけど、近未来の日本で若い娘だけが死ぬ病気が流行して出産可能な女性の数が激減してしまい、一方で男性に可逆的な性転換をする方法が開発され、18歳から31歳以下の男性に2年間の「女性化」が義務づけられた社会、というSF。男性の政治家が自らの男を危機に陥れるような法案を通すわけないべ、と最初は思ったが、たいていの政治家は自分は関係ないお年頃になっているから平気、という点は徴兵制と同じなんだなと思ったらそこはクリヤ。ただこの、男性が簡単に性転換して、しかも妊娠出産が可能になり、また男に戻れるというのが、ちょっとSFにしてもリアリティに欠けていて、つまりは思考実験的な寓話と思うしかなく、それでいながら人口減少とか、移民とか、温暖化とか、生々しい問題がいまから数十年でもっと大変なことになっているあたりは、非常にリアリティがあって、頭ががちゃがちゃする。そのうち、男になりたい女も出てきて、ジェンダーの縛りがどんどん空無化していくというのは、面白いんだけどね。 

2018.08.16

 昨日は「オーシャンズ8」を見に行った。つまらなくはなかったけど、もうひとつ食い足りない、盛り上がらないという気持ちが残ってしまったのはなぜなんだろうな。泥棒側に視点のあるドラマは、やはり「見事盗みが成功してバンザーイ」的な爽快感が欲しいと思うんだけど、そういうふうにはならないのがいまいちなのかな。ダイヤモンドの盗み方もちょっと工夫に乏しいっていうか、もう少し意外性があってほしいと思いました。女優さんのファッションとか、アクセサリのゴージャスとか、カメオ出演の有名人を探す楽しみとか、ドラマと関係ない部分を売りにしている感が、もうひとつ釈然としない。やはりシナリオが弱いんだと思う。

 

 今日は森美術館に「建築の日本展」を見に。いろいろ説明すると大変だけど、非常に見応えのある展示だった。知っている作品の方が多かったけど、「日本にこんな変なことをしている人が居たのか」と思うものもいくつもあって、ひとつはぶらぶら美術館でも紹介されたけど、ひとりで延々12年も(たぶん)鉄筋コンクリートのビルを手作りしてる岡啓輔で、つい「シュバルかよ」といいたくなるけれど、こっちはちゃんと内部空間のあるビルになるはずなので、モニュメントとしての意味しか無かった郵便配達さんよりはえらい気もするけど、これを「実用性あり」といっていいかと思うと、やっぱり限りなくゲージュツだよなあと思ってしまう。もうひとつは、小田原の海の見える土地でけったいな庭園を造り続けているおじさんで、杉本博司というかなり高齢な人が、ストーンサークルや三石柱や海に向かって当時の日に陽が昇るトンネルやらをこさえていて、なんかもーこれはなに、という感じがひしひしとしてくるのだった。

 その後日本カメラ博物館で、明治の建築写真のコレクションを見学。19世紀末の湿板写真の写真機なんかも展示されてます。

2018.08.14

 昨日は東京でずいぶん激しい雨が降ったらしいが、うちの方では細かい粒が風もそんなになしにさやさやと降っただけ。それでも夜の気温はいくらか下がってほっとしたのだが、今日はまたカンカンである。この調子ではずるずるしてしまうと、今日は弁当を持って図書館に行くが、10分前でもすでに行列が日陰の外まで伸びていて、日を浴びながら開館を待つ羽目に。それでも幸いはじっこの席は確保できて、書きかけの短編は一応三分の二まで進行した。プロットを作っているとき、あれやこれやと材料が集まりすぎてしまい、話が分散して散漫になってしまいそうで、それを繋ぐためにさらにプロットを編んでいくと、どう考えても短編には収まらない感じで、うわあああ、だったのだが、伸びすぎた植物を刈り込むように、「これとこれは外す、この枝もなしにする」というのがようやく見えてきて、序破急の第二段階まであんじょう行った感じ。

2018.08.13

 枝豆が好きなんで、シーズン中はひたすら枝豆枝豆と連呼しているが、うちの場合ビールと一緒に初めに出てくることが多くて、ここで枝豆を食べ過ぎると夕飯のメインが入らなくなり、調理担当者に冷たい目で見られてしまう。なので、それならというので、仕事場の昼飯に枝豆を食べようと思い、一袋ばんっと茹でて食べた。さすがに全部は食べられなかった。もっと食べたい、と思うところで止めるのが、美味しいこつなのだろうか。過ぎたるは及ばざるがごとし。

 

 しかし毎日、暑さに耐えて一日をやり過ごすだけで、かなりのエネルギーを削ぎ落とされてしまう感強し。原稿の進まないことおびただしい。でも、じわじわとは書き進めているけど。

 

読了本『黒い睡蓮』 ミシェル・ビュッシ 集英社文庫 モネが睡蓮を描いて暮らしたフランス北部の村を舞台に、世界の憧れを集める印象派の世界で殺人が続く。叙述トリックはフレンチミステリのお家芸なのか。読み応えあり。ビックリ度高し。

2018.08.12

 朝から曇っていて、やった、気温低い、と喜んだけど、喜ぶほど涼しくはない。湿度がめちゃ高くて、気温そのものは少し低いのかも知れないが、息苦しいような感じがして、例によってふつふつと汗を掻く。アミの会の原稿を少しずつ進行させているが、当初予定だとどう考えても長編になってしまうということが明らかになってきて、構成を変えながら、仕込むつもりだったネタやディテールを削ぎ落とすことをしている。

 昨年亡くなった谷口ジローのマンガ作品、絶筆になっているものなどが刊行されたので、購入してぼちぼち読んでいる。もったいないので少しずつ。一章だけ描かれたオールカラーの『光年の森』は、谷口版もののけ姫みたいだ。横構図で、これはフランスのバンド・デシネ(だっけ?)を念頭に制作されたものなのだろうな。

 

 今日は仕事場早上がり。あんまり無理をしても仕方ない。

2018.08.11

 いまさらだが今日もとても暑い。ジムに行ったあと、洗濯や買い物を片付けて図書館に行こうと思うが、頭が満足に働かない。暑さ疲れが蓄積されて、いよいよ危険レベルまで届いちゃったという感じ。今回の台風では気温が低くもならなかったし、睡眠不足の補いもなし、体力回復もしなかった。いや、マジやばいっすよ〜

2018.08.10

 暑い。台風が清涼な空気を運んできたりということは全然無くて、湿度たっぷり温度もモリモリ。来週からはもっと暑くなるらしいので、あ〜、夏から出る扉はどこ?

 

 昨日の「メタルマクベス」、現代のメタルマクベスというグループ名のヘビメタバンドの世界と、200年後、瓦礫の荒野の戦国時代に繰り広げられるマクベスの世界。敢えて理に落ちた解釈をすれば、現代人の主人公が自らをマクベスにした世界の夢を見ているんだと思うが、枠物語というよりは相互浸透的な世界観。「マクベス」の世界は、夫人の出番が原作より増えて人物像が掘り下げられている、というような違いはあるが、芯はまっとうな「マクベス」で、野心とヘタレに揺れる主人公を、中年二枚目の橋本さとしが好演している。シェークスピア劇で女性の影が薄いのは、女装する少年役者の演技力が足らなかったからだ、なんぞと申しますしな。

 ただ自分、ヘビーメタルもロックもほぼ無縁のロートルなので、「あ、なんかこれ『イブの息子たち』の世界っぽい」などと思うのが関の山。ただ360度ステージサラウンドは、ますます効果的に活用されておりますな。本物のバイクがリング型のステージを疾駆する。ゆっくり走っても背景幕の映像が逆に流れるので、スピード感が倍増するわけ。

 

 雨でコンクリートの蓄熱が落ち着いたんじゃない? と期待して、今日はほぼ出歩かずに仕事しよっと思ったのだが、エアコンつけずにはおれず。

2018.08.09

 昨日は結局夕方になってからよっこらパソコンに向かい、アミの会の企画のための短編を書き出した。ただ、これは一種の叩き台として提供するものなので、活字になるかどうかはわからない。活字になるとしても、他の方の作品との絡みで短縮版にしたり、書き換えをしたりすることになるかも知れない。でも、けっこういろいろと設定やキャラを考えたので、場合によっては電子にして自分で売るようなことも、考えることになるかも知れない。正直言ってけっこう面倒くさいのだが、それでもわりかし筆が進んでいるのがなにより楽しい。

 昨日は友人と飯能で飲み会の予定で、台風が懸念されたが幸いそんな大した降りではなくて助かった。最近飯能にも新しい飲食の店が出来てきたのだが、あんまり期待できない感じのお店ばかりで、昨日行ったところは以前からあるわりと地味なお店なのだが、ちゃんと作っている料理の出てくるイタリアンで、今回も好印象だった。夜は仕事場に泊。

 台風は遠ざかりつつあるらしいが、風雨は止んでも空は曇天、そして湿度がすごくて温度はじわじわ上昇か。今日は新感線ファンのマイミクK教授と、「メタルマクベス」の生中継(ライブビューイングという)に行くので、雨が止んでいるのは有り難いが、この後はまた猛暑らしいなあ。出かけるまで少しでも原稿の続きをしようと思っていたのに、パソコンめが更新プログラムを始めてしまってもう一時間。早く終わってくれ〜

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