篠田真由美お仕事日誌

2018.02.22

 今日は猫の日だそうだが、別にそれとは関係なく、結婚41周年記念(40年は忘れていた)ランチに、鎌倉の古我邸という古い洋館を改造したレストランに出かけた。建物自体は昭和に入ってかららしく、わりとシンプルで全然装飾的でもないのだが、後ろに山を背負う小高い土地に建つロケーションがなかなかよろしい。お料理は非常に盛りつけも美しい凝ったもので、美味しくいただいたけれど、まあ一度でいいねという感じでした。ランチの前に同じく「百年名家」に登場した、最近開館した鎌倉文化交流館というのに行ってきた。三菱の岩崎小弥太が別荘を建てていた場所に建つ非常にモダンな建築だけど、ここも深い谷を背負っていて、やはりロケーションがいい。

 しかし天気が悪くて寒すぎて、猫も出ないし人間もブルブル。しかもいまはシラスの禁漁期ゆえ、ベルクフェルドでパンを買っただけでさっさか帰宅しました。

2018.02.21

 温泉温泉と思っていたが、明日、明後日も出かける予定が合って、その後はまた週末が来てしまうので、今日はいろいろ用事を片付ける方がいいと予定を変える。天気がいまいちで肌寒い、というのもあるしね。

 

 昨日入間市の図書館で借りたミステリは、正直自分の嗜好には合わなかった。青春学園もの本格ミステリで、青春も学園もわりと好きな方だったはずなのだが、読み出した最初から、なんといいますか、甘い自己愛の匂いがぷんぷんと漂ってきて、「うわ、これはきついわ〜」となってしまい、根性で読み終えたけどなんともはや「ゴメンナサイ」。これがいまの青春か、ずいぶんスイートなものだなあと。それにこのM男とS女というの、ダメなんです。男根主義者の威張り屋よりは、めそめそしてるボーヤの方がましだろうといわれればその通りだけど、どうもその下から「可愛いボク」という自意識がちらちらしてるみたいで、その非リア充なボクが意外にもててもててというあたりで、本当の非リア充は怒ってください。その1点において完全にファンタジーだから。

 ミステリとしては、煎じ詰めれば日常の謎の一種ではあるんだけど、探偵役が「なんじゃこりゃ」というお姉様で、その辺が非日常の極み。ミステリのロジックとか芯になる部分は、別にまずくはないけどすごく図抜けて素晴らしいということもなく、破綻もない代わりに普通だよなあ、どうしてこれが本ミス大賞の候補作なのか、そのへんがどうにもよくわからない自分でありました。以上、さしさわりがあると思うので、タイトルは挙げません。

 残る4冊、地元の図書館に予約を入れたけど、考えてみたら何人待ちなのかわからない。飯能のサイトでは予約待ち人数が出ないみたいなのだが、入間で見たらすごい人数が出てきた本があり、近くの別の自治体の図書館も当たることにした。貧乏は辛いのである。っていうか、小説読む人あんまり本を買わないんだね。本が売れないわけだ。うん、でも1度しか読まないだろうミステリのハードカバーに2000円近いお金、そうは出せないよね。

 

 木曜金曜外出。ブログの更新は不確定です。

2018.02.20

 昨日書き上げたヴィクトリア4,ラストのところで直したい部分が出てきたので修正。たぶんプリントしたら、全面真っ赤になるだろうと思いつつ、まだなにか出てきそうな気がするので今日はプリントせず。

 本格ミステリ作家クラブの大賞候補作5作が決定。クラブの会員がこの5作を読んで、大賞にふさわしいと思われるものに投票、それだけでなく投票理由をきちんと文章にしてそれに添える、というのが本ミスクラブの規約。しかし見事に1冊も読んでいない。無論本も所有していない。我ながら、本格ミステリに対する愛着が減退しているのだよな。本棚に所有したい気持ちも余り湧いてこない。しかしここで投票を止めたとなると、業界に不義理も過ぎるような気がして、図書館で検索してみたらなんと5冊中4冊はヒットして、しかしうち3冊は貸し出し中。さらに図書館は今週館内整理でお休みでありました。

 さらに近隣の図書館で所蔵を調べたところ、飯能にない1冊が入間にはある、それも二駅隣の分館にあって今日は開いているとわかったので、そこまで出かけていって、カードを作ってその1冊を借りてきた。他の4冊はそこにはない、というわけで、なかなか簡単には済まないんだけど、金がなくても暇はあるからまあいいや。昔は業界のために候補作はちゃんと買う、無論新刊書店で買う、というポリシーを持っていたのだが、いまとなってはとても無理。図書館からの帰りは、電車賃けちって歩いて帰ってきたくらいの金欠病だもんね。

 まだ時間はあるから、飯能の図書館に所蔵している本は予約を入れた。著者の方、ご勘弁ください。せめて真面目に投票はさせていただきます。

2018.02.19

 取り敢えずラストまで書いた、あとがきも書いた。ヴィクトリア4.

 キングは書き終えた原稿は半年以上ほっておくそうだが、そこまでは伸ばせないなあ。でも少しは冷やそう。明日か明後日、どちらか近くの温泉でも行ってくるかなあ。キングの『ダークタワー』持って。図書館に行ったら、『ダークタワー』の番外中編が収録された『第四解剖室』というのがあって、借りてきて読んだ。ちょっと笑った。いや、女吸血鬼ものなんだけど、あまりにもあまりにも、見たことのある風景なんだよ。なぜかたまたまガンスリンガーは吸血鬼よけになるお守りを身につけていて、他にもそれを身につけている犠牲者が捕らえられているんだけど、女吸血鬼はゾンビを使って彼からお守りを奪おうとする。このへんは「牡丹灯籠」の護符を剥がすの剥がさないのがそのまんま。女吸血鬼の中のひとりが、ガンスリンガーに惚れちゃって、自分を犠牲にして彼を助ける、なんてのも定番中の定番で。いや、定番は悪くないよね。怖がる代わりに笑えるだけで。

 22は鎌倉へランチに行く。昔綾辻行人さんが、鮎川哲也先生に案内してもらったという、鎌倉駅からもそんなに遠くない西洋館、そこをイメージモデルにしてかの『時計館の殺人』を書いたという邸宅が、いまはレストランになっていて、中には入れるのです。こないだテレビで、毎週録画している「百年名家」というテレビ番組を見ていたら、ここが出てきて、こりゃ行かなくてはっ、ということになったのであります。

2018.02.18

 晴れて陽射しの明るさは明らかに春なのに、風がやたら冷たくて驚く。

 ヴィクトリア4、エピローグに入っているのに筆の速度が上がらない。ほんともう、あかん感じ。

 『第九軍団のワシ』をちらちら再読していて、風景描写のみずみずしさに強く打たれる。

2018.02.17

 昨日は例によって東長崎の医者のはしごだったが、眼科では眼圧は下がっていていい状態だと言われ、婦人科では前回の検査で少し下がっていた骨密度が前に戻ったといわれて、いずれもほっとして、江古田まで歩いてパーラー江古田のパンを買って帰る。ここのパンは天然酵母がっつり系で、そのまま食べてもワインのつまみに最高。

 不眠だった分、昨日はかなり長いこと寝られたのだが、今日はジムに行ったら午後また眠くなってしまい、しばらく沈没。仕事できず、借り物のヴィデオを見ようとしたけど見られず。不覚なり。だいたい自分の不眠が出るのは、秋の寒くなってきた頃か春先で、つまり気温が上がるか下がるかのときになりやすい。最近友人が気圧の上下で体調にいろいろ影響が出る、という話をよく聞くのだけれど、自分はもっぱら気温の上下である。

 昨日は予報ほど寒くなくて、今日も午前中はあったかいんじゃない、と思っていたら、曇ってきて風が冷たくなってきて、空を見たらまたガレのランプみたいな、冬枯れの枝の向こうに白と薄青と薄橙が滲んでいるような色が見えていた。梅は咲いているんだけど、緑はまだない。

 

 皆川読本用の原稿にはOKがもらえた。編集さんも皆川ファンだというのがわかるお返事だったので、同好の士と会えた思いがして嬉しかった。皆川作品というのは、決して感情をハイにするタイプではないのだが、なぜか皆川愛について語っていると語る人間はどんどんハイになってしまうという、不思議な影響があるのです。『聖女の島』のことを引き合いに出したら、作中に引用されているテーマソングともいうべき、西条八十の「トミノの地獄」が思い出され、「あねはちをはくいもとはひはくかわいとみのはたまをはく、あ、それ」などと口ずさんでしまう。もちろん「あ、それ」はおまけですよ。

 角川ホラーの新作『闇の聖天使』の見本が来た。美少年美少年と連呼して、今回はちゃんと美少年美青年なイラストを表紙に書いてもらえたので、それについては文句ござんせん。書店に並ぶのはいつか、確認してまた書きます。

 

 確認してきた。24日の土曜日みたい。

2018.02.16

 昨日一日だけが異様にぬくくて、今日はまた曇って寒い。

 昨日は予定通り、自宅で書庫との間を行ったり来たりしながら、河出書房皆川博子読本用のアンケートとエッセイを書く。一応書き上げたので、仕事場で再度ブラッシュアップの後、担当に送稿した。4月には出るらしいので、お手にとっていただければ大変に嬉しい。

 昨日は原稿を挙げた後、読みかけだった『A4』と『ダークタワー』1を読み上げた。

 前者、自分は宗教的なものには興味があるし、宗教的なものを手放せない人間の精神にも興味があるが、本質的に既成宗教の信念に対しては根強い不信感があって、とても同調できないなと痛感した。麻原と教団一部信徒のテロを否定しながら、なおそれ以前の麻原を肯定し、観念的に救済しようとする元信者のことばは、イエスが処刑された直後の弟子たちもこうだったんじゃないの、と思わせるものがあるが、やはりなんか違うしなんか嫌だ、と思わされてしまう。ただ、麻原の処刑ではなにも終わらない、なにも解明されないということは痛感する。

 『ダークタワー』はわりと面白く読んだので、手元にある2巻も読むつもり。映画が、ガンスリンガーの過去とか、ファンタジー的な部分を完全に切り捨てて、少年の自立と父性的ヒーローの交流に話を絞ったのは、映画にするならしかるべき単純化なのだとは思うが、これをもってこの作品の映画化と呼ぶのは、ちょっと疑問だ。キング、これでいいのか、ほんとに?

 

 昨日はなぜか不眠が出てしまい、3時間しか寝てなくて使い物にならなそうなので、行き損ねていた医者に行くことにした。

2018.02.15

 昨日は夜デートの約束があったので、その前に医者に薬をもらいに行こうかと思っていたのだが、原稿を書いていたら途中で手を止めたくなくなったので、医者は止めにしてしまった。夜は昔住んでいた浦和で、大好きなイタリアンの店、知る人ぞ知るSomethingで食べかつ飲む。ここはワイン酒場的な使い方がメインの店。浦和周辺に4店舗あって、それぞれメニュー構成が微妙に違う。昨日のヒットは牡蠣のフリット。いつもはボトルで取るなら赤ワインなのだが、昨日は辛口の白にして、後から頼んだペコリーのチーズと黒胡椒をやまのようにかけた生パスタのときに、赤ワインをグラスでもらった。

 今日は夜ツレがいないというので、やはり医者に行こうかと思ったが、昨日書いたところを直してようやく残すはエピローグのみ、となったところで午前中がおしまいになる。これから自宅で本棚の皆川本を見ながらアンケートとエッセイを書くつもりなので、いっそ一気にやってしまおうというわけで、ノーパソを担いで行くことにした。幸い外は暖かいようで、歩いて帰ろう。

 読書はキングと森達也がまだ終わっていないのだが、人に貸していたローズマリ・サトクリフ『第九軍団の鷲』が帰ってきたら、読み返したくなってしまった。自分は原作→映画のときは、どうしても「原作が映画で改変されてしまっている」という不満をおぼえがちになるのだが、逆に映画→原作だと、「映画は映画、原作は原作」という気持ちで楽しめる気がする。『鷲』も原作が先だったら、妙にスペクタクル風にしてしまった映画と、淡々とした空気が濃い原作では、映画の方が気に入らなくなってしまったかも。

2018.02.13

 無印良品の「自分で作るガトーショコラ」は、そんなに甘くなくてけっこう美味しくできた。オレンジピールやナッツを混ぜてみるとか、小さなカップに入れて中にミルクチョコを入れるとか、バリエーションもできそう。といいながら、たぶんやらないだろうという気はするんだけどね。

 

 仕事関係で連絡が来なくてちょっといらつく。メールで済ませられると、こっちに届いていない場合スルーしたと誤解される可能性があるので怖い。原書房の本格ミステリのアンケートは、送った原稿を向こうがなんらかのミスで落とされた上、こちらから尋ねなければ連絡するよこさないままだった、というひどい話なので、また同じようなことがあったら困ると、ついこちらも気をとがらせてしまう。

 

 森達也『A4』まだ読みかけ。オウムの事件を起こした弟子たちの考えは一応いろいろ公表されているが、結局教祖がなにを考えてああいう事件を引き起こしたのかが未解明のままだ、ということを痛切に感じる。ここで対話しているふたりの旧信徒は、オウムの犯罪を否定はしているのだけれど、輪廻転生の教義を全然疑ってはいないし、より高い存在に生まれ変わらせるための殺人という行為を、根本的には否定していないように読める。それはいけないと口ではいっているけれど、どこかで「自分には出来ないけれどそれはありだ」と考えているみたい。そして麻原の善性をまだ信じていて、現在の彼は「壊れて」しまっているけれど、それは敢えて壊れることで自らを罰しているのだというような、救いのある見方をしているらしい。このまま精神的に病んだ麻原を無理やり絞首刑にして、結局彼は伝説の殉教者のような形で、ある程度の数の人間の心には生き残ってしまうのだろうな。グロテスクな話だ。まあ、人間の精神というものがそもそも、そうしたグロテスクなものになることは意外と容易い気はするけど。

 

 ヴィクトリアまだ進行中。でも明日は医者とか行くので外出。日記はお休み。

2018.02.12

 午前中は陽が射して仕事場ぬくぬく、暖房いらず。午後になればさすがに寒いのでオイルヒーターを入れたが、結局エアコンの暖房は使っていない。部屋が広いので暖冷房ともにあんまり効かず、寒い時は着ぶくれて、暑い時は冷えピタシートや冷却剤でしのいでいるな。それで済む程度の関東南部ってこと。山形は積雪4メートルだって。恐ろしい。去年は東北自動車道が繋がったおかげで、福島や山形方面に温泉入りに行って、あっちの方がすてきになじみな場所になってしまったので、ちょいと心配になる。

 昨日、「あ、2月って結婚した月だよな。何日だっけ」というような会話をして、「うわ、もしかして40年? ねえねえ、40周年ってなに婚式? なんかしようよ」などと騒いでしまったが、改めて勘定してみたら今年は41周年で、40年はもう過ぎていたのだった。ま、自分の記念日感覚なんてこの程度のものです。

 それはさておき、今年のバレンタインは、チョコってあんまりツレも食べないし、というので、無印で売ってる「自分で作るガトーショコラ」というインスタントものを買ってきた。卵1個、牛乳60ミリ、バタ40グラムを用意。後はセットに入っているチョコレートとバターを湯煎で溶かし、卵と牛乳にミックスを入れ、チョコバタを入れ、ついてる紙の型に流して25分。とても簡単。セットには粉砂糖がついているが、甘すぎるのは苦手なんで、いちごを買ってきた。一緒に盛ったら美しかろうということで。

 

 昨日読みかけだった『RED』は読了したんで、今日は森達也さんの『A4』を読んでいる。オウムのもと信者との対話。彼らは、オウムがテロに走る前に脱退しているので、初期オウムの家族的で真摯な時代をいまも懐かしんでいるようだ。どこかに分水嶺がある、たぶん。でも怖いことに、それを越したことがわかるのは、すでに取り返しがつかなくなってからだ。オウムもナチも、そんなところがある気がする。いまの日本、後から見たら「もう2018は分水嶺を越してたね」なんてことになりませんように。

 

 ヴィクトリア4、250ページ越え。今日はもうちょい頑張る。

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