篠田真由美お仕事日誌

2018.06.24

 雨が朝のうちで上がったら、じわじわと暑い感じになってきた。明日の予報を見たら32度とかになっていて、ええーっ、となる。梅雨、梅雨でいいです。雨必要です。

 

 ただし暑いと元気になるのがゴーヤ。梅雨入り前に一度暑くなったぶんで雌花がいくつか咲いて、今日第一号を収穫。218グラム。家のゴーヤは新鮮さが売りで、これを薄くスライスして氷水で締め、おかかを山のようにまぶして食べるのが我が家の夏の定番料理。夏ばて防止に絶対寄与していると思う。

 他にはミニトマトの第一号がひとつぶ。青い実はたくさんついているのだが、なかなかまとめて赤くはなってくれないのだ。それからバジル。なんとなく葉っぱの状態がいまいちなので、その部分を摘んでお昼は東南アジア風のチャーハンを作ったら、食べすぎてしまった。

 

 それから池上さんの小説、『トロイメライ』の続編『唄う都は曇りのち晴れ』を読んでいたら、ゴーヤをスライスして塩もみするとあくが泡になって出るからこれを絞って取らないと、というような描写が出てくるのだが、これも聞いたことがない。本土で栽培したゴーヤはなるいのだろうか、とも思うが、沖縄に行ったとき買ってきたこともあるから、やはり「?」である。

 これについても1.江戸時代のゴーヤはいまよりえぐかった。2.池上家のレシピはそれである。3.架空。と、三つの可能性が考えられ、もしかしたら、ありそうだけど嘘だよ−、のレシピをまことしやかに書いて、ヤマトンチュを煙に巻いているのかなとも思うのだった。むしろその方が面白いかな。

2018.06.23

 梅雨だから梅雨らしい天気に文句は言えないんだけど、朝からずーっと薄暗いとなんか眠たい。おまけに、今朝のまだ暗い家から、蚊に刺されてかゆくて目が覚めて、布団かぶってもブーンというし、暑いし、電気蚊取りの電池が切れていたんだけど、おかげで寝たりなくてなおさら眠い。ジムの後はそうでなくても眠いし。

 

 池上永一『トロイメライ』を図書館で借りてあって、それを読む。面白い。戦争で破壊される以前の首里と那覇はこんな感じだったんだなー、とつくづく思う。ジーマミー豆腐とか、ジューシーとか、美味しそうな料理も出てきて、それが物語に彩りを添えている。ただ、ジーマミーに泡盛を入れると書いてあるんだけどほんとかしら。

 那覇の牧志市場の近くにジーマミー豆腐の製造販売をしている店があって、ここのがとっても美味しい。ついている甘いたれにわさびをまぜると、泡盛のつまみに最高なんだけどね、東京に戻ってから、前にこっちで食べたときはそんなに美味しくなかった気がするぞと思って、もう一度、銀座のわしたショップで買ってみたんだけど、やはりいまいちでした。那覇に行っての楽しみということですね。

 いまちょっとネットでジーマミー豆腐のレシピを調べてみたんだけど、作れそうだな、これ。生の美味しい落花生さえ手に入れば、そんなに問題は無い。水につけて、ミキサーで豆乳化して、絞って、後はくず粉を入れて焦がさないように火の上で練るあたりが、ちょっと一仕事だけど。そしてやっぱり泡盛は入れてないなあ。可能性/1.池上さんちでは泡盛を入れた。/2.江戸時代のレシピでは入れた。/3.架空である。その3もありかも。小説家、見てきたような嘘を書き、だもんね。ことばでなんとなくその気にさせれば、それは勝ちですよ、書いたもんの。

2018.06.22

 今年の本格ミステリ大賞が確定して、前評判が高かった『屍人荘の殺人』が受賞したというのは、別に驚かなかったというのは、この賞は「売れてる」と声の上がった作品が獲る場合が多い。書き手メインの投票といっても、どうしても人気投票的要素が混じるのでしょうな。篠田はこれには票を入れなかった。ゾンビに囲まれた閉鎖空間での連続殺人というのは、読む前から聞いていて「へー」とは思ったのだが、読んでみたら「ゾンビ」以外の要素がいままでさんざん読んできた、大学青春トラブル→殺人以外のなにものでもなくて、おまけに探偵とワトソンが癖のある美少女にMっ気の心優しい青年で、実を言うと今回の大賞候補作5作のうち3作がそのパターンだったから、それだけで「えー」となってしまったのだった。でもまあ、こういうのがいいという人はけっこういるんじゃない、と思ったら案の定だった。

 驚いたのはジャーロ(正確には電子雑誌の刷りだし)に掲載された選評の中で、山口雅也氏が「棄権」といって、その理由を縷々書き記していたその内容だった。短くいえばこの作品は自作の『生ける屍の死』のメインアイディアとかぶるのに、先行作に対する言及も敬意もなく、候補作選定委員もそのことを論じていない、したがって受け入れがたいという抗議である。

 『生ける屍の死』は篠田にとっては、本格ミステリのひとつの輝ける指標であり、小説としてもすばらしく面白く、忘れがたい名作である。なぜか死者がよみがえる世界での連続殺人、生き返ってしまうのに殺人を犯すどんな意味と動機があり得るのか。しかしここで留意する必要があるのは、本作のゾンビはいわゆるゾンビ映画のそれとは設定が異なるということだ。好きじゃないのでまともに見たことはないが、ホラー映画のゾンビは要するに吸血鬼ものの変化球で、ゾンビに噛まれたらゾンビになってしまう、人間だったときの性格も知性も失って、ひたすら人間を襲う化け物と化す。ところが山口作品では、理由はわからないまま生き返った死者は、生前の記憶知識性格を保存し、死者であることを隠すことも可能だが、死体現象は残酷に進行し、早い話が意識があるまま次第に腐敗し、やがて二度と覚めぬ死を迎える。主人公の探偵役グリンもそうして生ける死者となった自分を偽装して、一族の中で起こる連続殺人を解明しようとするが、それは彼が二度目の死を迎えるまでという、タイムリミット・サスペンスでもある。

 葬儀屋で財を成した一族という皮肉な設定、ユーモア、どたばた、死に関する考察、キリスト教、恋、様々の要素が盛り込まれた物語は、ついに「この奇怪な設定でしかあり得ない動機・殺人方法」にたどりつく。そして余韻嫋々たるエンディング。久しく読み返さずともそれは思い出すことが出来、その後長くキャリアを重ねている作家には失礼ながら、山口雅也はこれが最高と思う。別によいしょで書いてるわけじゃないからね。

 『屍人荘』を読んでいるとき、『生ける屍』は思い出さなかった。比べものにならなかったからだ。作品世界とそこで展開されるミステリのために、考え抜かれた「よみがえる死者」とくらべれば、こっちは映画からのいただきものを従来的な青春ミステリにくっつけただけだ。劣化コピーというもおこがましい。でもまあ、ありっちゃありでしょくらい。だから逆に、山口氏が噛みついていることにちょっと驚いた。他人事だからそう思うのだろうけど、あんまり格好良くない。軽く肩をすくめて「あれがいいの? へえ」とでも笑ってる方が似合う気がした。

 それから、選評の中でさらに山口氏が「作者が『生ける屍』を読まずに書いたとも聞いたが、それはさらに問題だ」と書いていることについて。つまり先行作のアイディアを把握して、それを超えるよう努めるのが本格ミステリで、それがなければたとえば『そして誰もいなくなった』を読まずに書かれた同一設定の作が評価されることにもなりかねない、というのだけれど、それ、もうとっくに進行してるでしょう。孤島の連続殺人も、童謡見立ても、バールストン・ギャンビットも、いまじゃ陳腐すぎるアイディアで、それを書いた人がみんな『そして誰も』をきっちり読んでるか。それはないよ。ミステリに限らず、あらゆるジャンルの「教養的蓄積」はすでに空無化している。

 というわけで、かっこいい山口さんがいきなり大久保彦左衛門みたいな、天下のご意見番になってしまったような。それとこういうことは、自作がらみだとどうしても私怨めいて聞こえてしまうのが辛いね。年齢的にご意見番であっていいはずの作家さん、他にも居るんだけどなんにもいってないな。頭にくる気持ちはわかるけど、年寄りの遠吠えみたいに見えちゃう。

2018.06.21

 今日はほとんど出かけないで、だらだらと原稿を書き続ける。

 椎名誠の『「十五少年漂流記」への旅』を読む。ジュール・ベルヌの「十五少年漂流記」は小学生の時に読んで、かなり面白かった気がする。この時代のこととて、登場人物はすべて少年で、その少年に普通に感情移入していたよな。女の子が主人公の話なんてめったになかったし、そういえば図書館で借りた本で、少女たちがガールスカウトみたいな感じで、船を操ってやっぱり漂流する話を読んだ記憶もあるんだけど、そういうときはかえって女の子の方が感情移入しにくいなと思ったようだ。

 なんでかって、同性の方がかえって自分との差異を強く感じてしまうからじゃないかな。物語の中の少女たちは、当然ながら現実の自分よりいろいろ優れた特技や性質を持っているわけで、それだったら男の子の方がかえって入りやすい。ということはないですか。他の人はよくわからないが、自分は『赤毛のアン』も全然乗らなかったというのは、アンの空想癖は逆に自分に近いところがあって、痛かったからダメだったというのがある。自分と違うものの方がいいというわけで、バローズの火星シリーズで、美女デジャー・ソリスを助け、緑色人タルス・タルカスと友情を結ぶジョン・カーターに感情移入していたり、でしたね。

 椎名の本は、漂流記の舞台モデルだという島への旅と、その周辺のゆるい旅行記だけど、中で一番面白かったのは、羊肉とタマネギと瓜しか食べるものがないパタゴニアの旅の途中、食べ物にうんざりして倦怠していたとき、仲間の一人が「餃子」と口走ったばかりに頭の中に怒濤の勢いで餃子イメージが氾濫し、全員でひたすら日本に帰ったら食べたいものを並べ立てた、というところ。これね、同じ経験がある。インドで出会った日本人と金がなくて相部屋して、暑くて眠れないままひたすらあれが食いたいこれが喰いたいで、空しく盛り上がったっけなあ。アテネではひとりで脳内に延々と、冷や奴・・・枝豆・・・そうめん・・・みたいなイメージを頭に並べていたら、それがあまりに生々しいので我ながらやばかった。

 別に醤油は恋しくなかったけどね、アテネは東京みたいに蒸し暑かったの。

2018.06.20

 今日は朝から雨。といっても、梅雨寒というほどではなし。着るものを少し増やして、傘を差してせっせと歩くと汗を掻く。

 

 「レディ・ヴィクトリア4」の見本が来たので、知人やロンドンの友人に本を送る。イギリスへの送料、もう少し安くなってくれてもいいんじゃないかな、と思う。安くなってくれれば、もう少し気軽にものを送れるのに、と、こりゃ贅沢なせりふだけど。

 

 電書といっても文章を読む本はどうもその気になれなくて、自著を買う。電子版は見本がもらえるわけではなし、定価で買うのだからなんとなく釈然としない。電子オリジナルでもそれなんだろうか。献本は出来ないし、国会図書館が保存してくれるわけでもないし、やはり単なるコンテンツだよなと思ってしまう。

 それでも角川で出した『風信子の家/桜の園/黄昏に佇む君は』合冊版は、表紙に自分の写真を使ってもらい、さらに写真数点と、神代邸の平面図とか、年譜資料とか、おまけをつけてある。タブレットでは小さくてうっとうしいので、パソコンで眺めてみたが、少なくとも写真は期待以上にきれいだ。

 次のステップは、本をダウンロードして旅先でiPadミニで読むことかな。やらないかもしれないけど。なんか、頭に入らない気がするんだよ、どーしても。そこにはなにか自分的に、越えられない一線がある気がするの。ワープロだって使い出す前は、キーボードで小説書くなんて、と思ったじゃないか、と自分に突っ込んでは見るものの。

2018.06.19

 日月で久しぶりに日光に行ってきた。天気はかなりいまいちだったけど、梅雨の間なのだから仕方ない。濡れた新緑はまたいちだんときれいだしね。

 東照宮の参道近くでゆばそばを食べて、田母沢御用邸方面にいこうとしたら、裏から回っても渋滞につっこんで30分くらい動かなくてちと疲れた。金谷ホテルの創業時の建物、江戸時代の武家屋敷というのが、全面改修されて数年前から公開されていて、これは未見だったので行ってみた。期待した以上に見応えあり。純和風だが、敵が来た時身を隠せるよう、逃げられるよう、といった目的で、階段がたくさんあったり、二階から下の板の間へ飛び降りたりできるようになっている。昔、金沢に行ったときに忍者屋敷だか忍者寺だかいうのを見た記憶があるけど、要するにこれだな、と。その後外国人保養者のための宿を開業し、明治になってから増築。イザベラ・バードと通訳の伊藤が泊まった部屋というのは、そのまま残されていた。

 それから、植物園や御用邸を見る予定だったのだが、なんとなくくたびれたのと、雨も降ってきたので、いろは坂を上がって中禅寺湖。少し早かったので竜頭の滝で珈琲を飲み(水が良いのか、ここのコーヒーは美味しいのだ)、今夜の宿は中禅寺金谷ホテル。スタンダードツインでも客室は広めでゆったりしていて、もうひとついいのは湯元温泉からの引き湯で硫黄泉に浸かれること。日光金谷もいいんだけど、温泉があるのでやはりこっちに軍配。

 翌日は「ベルギー王国大使館別荘特別公開」で、これが今回の目的。混雑が予想されるので土日は避けて、車も離れた駐車場に置いて30分前に着いたらもう行列。湖畔では他にイタリアとイギリスの別荘が、こちらは県に寄贈されて公開されているが、ベルギーはいまも使われていて、普段は見られないし、今回も一階のサロンとサンルームが見られるのみで、そんなにすごいという感じではないけれど、豪華ではない、簡素なインテリアとガラス戸の外に広がる水景は好印象。その後湖畔伝いに歩いて未見だったイギリス大使館別荘へ。こっちは完全に解体して、一部部材と建具、ガラスを再利用して再建という感じ。アーネスト・サトウゆかりで、ジョサイア・コンドルも来て相談に乗ったとか書かれていた。写真の多いパネル展示は興味深かったが、この内容をそっくり本にして売ってくれよと思う。

 車に戻って北上、赤沼茶屋の奥の駐車場に車を止めて、戦場ヶ原から小田代ヶ原をわしわしとハイク。いまの季節は濃いピンクのクリンソウと、白いワタスゲ、金色のウマノアシガタの花期。同じ場所に同じくらいの季節に行っても、咲く花は微妙に違う。ナラの林は明るくて美しい。帰る前に湯元で立ち寄り湯。金精峠を越えて、沼田インターに出る前におなじみの養蜂園売店に立ち寄って国産の蜂蜜を買う。

 

 今日は週末に届いた『レディ・ヴィクトリア4』のサイン本作りにいままでかかった。60冊荷造りしたら、持てないこともないけど腰に来そうな気がしたので、連れ合いに泣きついて出しに行ってもらう。

 

読了本 『神器 軍艦「橿原」殺人事件』 リアルな感じで始まった太平洋戦争末期、軽巡洋艦橿原の物語は進むにつれて躁病的になり、最後は阿呆船のごとく太平洋上でアメリカの攻撃を受けて沈没、語り手のミステリマニアの男一人が生き残った。船上のオルギーについては、いちいち説明するのも面倒なので、興味を持たれた方はご自分でひもとかれるべし。どう考えてもタイトルはインチキ臭いので、本格ミステリを期待してはくれぐれもいけない。つくづく変な小説を書く作家だなあと呆れておしまい。

2018.06.16

 昨日から寒いのにたまげて、ところが着るものを増やすと汗掻くのですよ、自分。さっきも長袖2枚で外に出たら、またかすかに雨が降ってきて、風が冷たくてたまげた。なのに鉄筋コンクリートの中に入ると、もああっとしてる。気温は低めで湿度は高め。だから汗で身体が冷えてるのに、蒸している感もある。かなりイヤンです。

 

 今日も午前中はジム。人間、じっとしているより軽く身体を動かす方が疲れが取れる、と新聞で読んだけど、これは本当だと思う。心臓がどきどき激しく打ち続けたり、息が切れてものがいえなくなったり、というのはやり過ぎだと思うけどね。ただ、いくら「その方がいいよ」といっても聞かない人はいるもので、そういう人のことは自己責任で放置するしかないのだろうな。勝手でしょといわれたら、はい、勝手です。

 

 読みかけ本『神器 軍艦橿原殺人事件』 奥泉光 新潮社 昔、風流夢譚事件というのがあって、深沢七郎が書いた小説に右翼が噛みついて、その作品を載せた雑誌の版元の社長宅に馬鹿者がテロをしかけて、確かお手伝いさんが殺されてその雑誌が発禁になったのかな。話は革命が起きて、人が皇居に押しかけて、天皇一家が首を切られてコロコロ、でも夢落ちというすごくしょうもない作品で、後になってその短編を読んで、こんな冗談みたいな小説でテロが起きて人が殺されるなんてアホの極みだと思ったものだ。

奥泉のこの作品は例によって、本格ミステリぽく始まって、あとがぐちゃぐちゃになりそうというか、上下巻の上巻のラストあたりでもう相当にぐちゃぐちゃなのだが、昭和19年、敗色濃厚な戦下の巡洋艦の内部が舞台で、そうなれば天皇についての言及が山のようにあって、これが右翼からテロられたりしないというのは、昔より菊タブーはゆるくなってるのかしら、それとも右翼の馬鹿化が進行して、こんな長い小説を読もうと誰もしないからか、とも思うのだった。でもいまの人は、誰かがなにかいうと自分は読んでなくても平気で批評したりするからなあ。

 

 明日明後日全日留守につき、ブログの更新は19日になります。

2018.06.15

 東京鶯谷の古書店「古書ドリス」で、河出書房新社の「皆川博子の辺境薔薇館」刊行記念フェアが開かれます。この本に掲載されたイラストレータさんの原画などが展示され、関連書籍の販売もあります。購入者には特製ポストカードのプレゼントがあるそうです。

期間は6/23から7/8で、水曜日が休みです。詳細は下記「古書ドリス」のサイトを確認してください。

 

http://www.kosyo-doris.com/hpgen/HPB/entries/62.html

 

 今日は朝から雨で、寒いと思って重ね着して外に出たら蒸し暑くなって汗汗。

 

 

2018.06.14

 昨日に続いて、今日も朝から図書館に行って原稿。エアコンが効き過ぎてちょっと寒い。でもまあ、仕事場にいるとついネットを見たり、本に手を伸ばしたりしてしまうので、図書館は有り難い。でも今月の来週から2週間は臨時休館なのだ。くうう〜

2018.06.13

 角川ホラーの電書オリジナルが企画会議を通ったので、10月に出すから7月までに入稿といわれる。正直ちょっとしんどいんだけど、7月末なら何とかなるかも知れない。

 

 皆川さんの読本『辺境薔薇館』河出書房新社 の刊行を記念して、上野鶯谷あたりにある「古書ドリス」というところで、フェアが開かれるらしい。この本屋は今まで行ったことが無かったんだけど、雰囲気としては京都のアスタロテ書房や恵文社一乗寺店を想起させる、お耽美系の本屋さんらしい。案内をもらったので、紹介ページをリンクしようかと思ったら、まだ出来ていなかったので、出来たら載せます。期日は6/23から7/8で、皆川さんの本や、『辺境薔薇館』に登場した絵描きさんの作品などが展示されるらしい。というわけで、東京在住の皆川ファンはお見逃し無く。

 

 池上永一の『黙示録』をもらって読んだら、これがとても面白い。江戸時代の沖縄の舞踏家の話というので、沖縄は好きだけど小説で踊りのこととか書かれてもピンとくるかなあなんて思っていたのだが、すごいですね。ちゃんと見えてる感が湧いてきて、今度那覇に行ったら伝統舞踊も見てみようかなんていう気がしてきた。プロットはかなりの部分が『ガラスの仮面』で、つまりライバルの切磋琢磨物語。主人公は天才だけど破天荒で、低いところから這い上がって落ちて。対抗馬はずっと毛並みが良くて努力家で、その分どうしても主人公に勝ちきれない。というあたりも、ガラかめですね。つまりストーリーラインはシンプルで、ディテールで読ませるタイプ。小説の王道はこれかなって思った。

 だもんで、文庫で『テンペスト』を買ってきて、図書館で『トロイメライ』を借りてきたんだけど、ひとつ問題はこの人のタイトルのセンスかなあ。『黙示録』についても、このことばはキリスト教的なタームだから、内容との照応がピンとこなくて、損してるんじゃね? と思ってしまった。

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