篠田真由美お仕事日誌

2019.05.19

 三日間の闘い済んで夜が明けて、まだぼけてる。喉が嗄れてる。常日頃の自分のヒッキー振りを再確認。そんなしゃべり倒したわけじゃない。抽選に来たお客を迎えて、説明して、そんなことを三日間やってただけなのに、いつもはツレとしかしゃべらなかったりして、それもまあたいていの場合はそう会話が多い方じゃないからな。

 ものづくりフェアの収穫物。手伝いとはいえ、出店のチェックはする。といっても多くは、おなじみさんのところで買い物することになるんだけど。

 これは、左手は仕事場で使いたくて買ったマグ。マグはあるんだけど、10年以上使ってなぜか全然壊れないバルタン星人のカップが少し飽きたので、取り替えることにした。右はご縁あってのいただきもの。マグと普通のカップの中間くらいのサイズか。端正なたたずまいです。

 こちらはおなじみさんの陶房作の小鉢。煮物なんかよそったらいい感じ。丸い模様はスポンジのスタンプでつけるそうです。

 大好きな貝細工屋さんの作品。メキシコ産のアワビ貝の芯に近い部分を削って、もっとも美しい色が出るところだけを使うんだそうです。ピアスをイヤリングに付け替えてもらった。大きめの方はペンダントの緑系の色に合わせて選んだもので、小さい方は青系の色味が強い。それといいのは、貝類は軽いこと。外れる危険も少ないです。

 

 明日はシネリーブルに、サー・イアン・マッケランの「リヤ王」を見に行く予定。仕事は。やるよ、ちゃんとやりますよ〜

2019.05.19

 取り敢えず今日まではブログお休みします。イベントの手伝いがもう一日。

2019.05.16

 取り敢えず歯医者の検診は終わった。徳間のゲラはついた。でも明日から三日間は「飯能ものづくりフェア」の手伝いをするので、ゲラには手がつけられない。来週はゲラ仕事で、なんとか月の内に上野の東寺展だけは行って、それから次は6月17−23の銀座奥野ビルでのイベントなので、それまでの間にレディ・ヴィクトリアの最終巻のプロットを組むことが最優先。そうすると実際の作業は真夏になって、秋風が立つ頃には函館に行けるだろうか。

 

 最近の読了本 橋本治『これで古典がよくわかる』 ちくま文庫 同じく橋本治『父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない』朝日新書 後者はたぶん最後の本。で、その最後の本の最後の最後に、なんで日本がいつまでも夫婦別姓制度に切り替えられないか、というのをさらっと書いてしまっている。そこを自分なりにまとめてみると。

 つまり法的結婚の後、夫婦と彼らに養育される子供は同一の姓を名乗らねばならないというのは、「同一の姓」=「同一の家」を意味する、戦前の、稼ぎ手である戸主とその下に居る妻と子供、という「家の単位」への従属を意味するのだ。実質的に解体した現在の家族を、力尽くで「**家」という形式だけの家の中に押し込める。そういう慣習を捨てたら、家は解体してしまうと恐怖しているのが別姓反対論者だ。

 姓が違うくらいで解体してしまう家族なら、もう解体しているようなものだとおもうけどね。ていうか、そんなもので縛らなきゃ生き残れないなら、生き残らさなくてもいいんじゃない。と思うんだけど、こういうことをツイッターで赤裸々に書くと、「夫婦同姓は日本古来の伝統だ」とか馬鹿なことを云うやつが現れるから、ここにだけ書いておく。バカを教化したり、論争したりするにはツイッターは向かないからね。

 

 幻冬舎と某作家さんがトラブってる話なんかツイッターをたどっていると、本当に日本の文化的状況は末期というか、もう死んでいるというか、思うけど、根拠のない幻想を持っても仕方が無い。出版社は文化の担い手としての矜恃はおろか、プライドも見栄もやせ我慢もなくなってるよ、この国は。

2019.05.15

 明日は歯医者の検診があるので、ついでに東京での用事をいくつか片付けに出かけるつもり。なのでブログはお休みか、書いても少しになるだろう。昨日書いた栗本薫の件、もっと書きたいなとも思うのだが、いい加減なことはいってはならんと思うので、それと前に少し書いたことと重なりかねないなと思うので、こういうことはもう少し落ち着いたときにするべきだろう。

 落ち着かないというのは、いろんなことが半端に棚上げ状態になっているからだ。徳間のゲラはいつになるかわからないし、連れ合いのイベントは目前だし、角川で書く函館の話のために取材に行きたいが、それまでに講談社の書き下ろしが終わっていなければならず、だが徳間のゲラが終わらないとそっちにも手がつけられなくて、というわけで、なんかもう。

 

 それでも今日は図書館に行って、函館の話の大まかな枠組みだけは作ってきた。あくまで枠組みだけなので、その中に盛り込む内容についてはまだ全然これからなんだけど。

2019.05.14

 徳間のゲラは今日も明日も着かないらしい。ということは、16日は用事で外出するし、17から19は「飯能ものづくりフェア」の手伝いで埋まっているから、そっちが終わらないとゲラにも手はつけられないということになる。自分がさんざん遅らせた原稿なので、偉そうに文句は言えないんだけどね。

 

 ネットの古本屋で頼んでいた本が来る。1冊は栗本薫『女郎蜘蛛 伊集院大介と幻の友禅』 今回まとめて読み直した伊集院大介ものの中で、「これは悪くないな」と思った作品だったので、古本屋でも在庫が無かったのを頼んでおいたものだった。前は図書館で単行本を借りたのだが、今回買ったのは文庫で、作者の「文庫版あとがき」がついていた。しかしその日付というのが「2008年7月5日」で、それから一年もしないうちに作者は鬼籍に入った、というのに気がつくと、やはりなにがなし感慨めいたものを覚えずにはいられない。作者は着物というモチーフに惹きつけられていて、今回も「書き切れた」という気がしない、まだまだだと感ずるので、もっとこの世界をつきつめたい、と書いている。

 だがその願い空しく、書きたいという妄執を消すことなく抱きしめながら、彼女は死んでしまった。前のめりに、歩き続けたまま亡くなったのだなあ、と改めて思う。そこまでの執着は、自分にはないな。たぶん、ない。

2019.05.13

 徳間のゲラが届かないので、今日もダラダラ過ごしてる。竹林をお持ちの同業者からたけのこを送っていただいたので、急遽たけのこ茹で。

 

 今朝方変な夢を見て、だいたい起きても覚えている夢は変な、どっちかというと悪夢。間に合わないとか、なにかが上手くいかないとか、で、焦って堂々巡りをしているような夢で、今朝のもそのたぐいだった。どこかで雨宿りをしていて、濡れないようにしながら手に持っているなにかを読むとか、書き付けるとかしているんだけどそれが上手くいかなくて、どんどん時間ばかり過ぎる。

 ところが今回は少し違った細部があって、その雨宿りの場所に後から綺麗な女性が来て、その人も雨宿りをしようとしていて、そこに隣の店の人間が来て文句を言う、ような感じなのだが、なぜかふたりとも私の存在には目も向けない。無視しているというより、気がつかない、見えていない。

 で、これは目が覚めてから考えたのだが、自分は幽霊ではなかったのか。つまり地縛霊みたいなものになっていて、ある「こだわり」の残った場所に縛り付けられて、なにかその「こだわり」を解決しようとしているのだが、出来ない。しかしそんな自分の姿は誰にも見えなくて、どうにもならないという。これなら不条理な悪夢より、話の筋は通るよね。

 念のためにいうと、自分は幽霊は信じていない。死後の生があるとは思っていない。なぜなら、今まで一度として幽霊を見たことがないからだ。もしも出られるなら出て不思議ではなさそうな死者の思いあたりはあるんだけど、出ない。だから存在しない。あるいは自分には感知できない。感知できないならいないのと同じこと。でも万が一、死後の生があったりすると大変困る、とは思っている。自分は死んだらきれいさっぱり、後も残さず消えたいです。

2019.05.12

 最近沖縄にはまって、年に一度は必ず行っているのだが、誤解しないでねと先に急いでいっておいて、「沖縄は日本ではないな」と毎度思う。風土が違うし、習慣が違うし、宗教が違う。食べ物も違う。なのに日本だと思うのは、パスポート無しで行けること以上に日本語が通じるからだ。しかし沖縄で日本語が通じるのは、インドで英語が、ベトナムでフランス語が通じやすいのと同じようなものではないかと思う。つまり、日本が沖縄を植民地のように支配して、収奪してきたからだ。

 奪ってきた。いまも奪っている。そのくせろくなものは与えていない。イギリスはインドに、フランスはベトナムに、ろくでもないものも与えたけどそれなりに役に立つものも与えている。日本は奪っただけで、いまもそれは変わらないと、基地の横を車で走っていたりすると、痛切に思う。

 で、沖縄にいて不思議なもののひとつが、魔除けの「石敢當」というやつなんだけど、あれは鹿児島にもあるのだそうだ。九州だけでなく、本州の他にもあるというのだが、自分は見たことがない。その辺の話を書いていたのが、毎日新聞日曜版の連載「炉辺の風おと」梨木香歩 で、先週と今週と続けてそのことが書かれている。沖縄から伝わったものではあるらしい。

 そして、その「石敢當」は山形県にもあって、例の三島通庸が加茂から鶴岡への道路拡張工事の際、「大山の石敢當」というのを取り払わずにルートを変更した、という話が書かれていた。民権運動を弾圧したり、土木工事の徴用で強権を振るったり、どちらかというと悪役の三島だが、自分は済生会病院の建物のイメージから、「いや、悪役とは決めつけられないんじゃない」と思っている。そんな人の名前がいきなりひょっこり出てきたので、おやおやだった。

 山形は内陸のイメージが強く、だからこそ道作りが明治初期の課題だったわけだが、鶴岡は日本海に近く、ということは北前船のルートに面していて、つまりは高速道路インターのそばといいたいような場所だった。糸魚川の翡翠は縄文時代に北へ運ばれて北海道松前に到達し、北海道の昆布は沖縄で大いに使われた。「石敢當」も明治以前に、沖縄から北へと伝播したわけだ。おもしろいなあ、と思ったっすよ。

2019.05.11

 ジムから戻って、まだ少し先になるけど函館自費取材のプランを考える。なにせその前に1作、レディ・ヴィクトリア5を書き上げてから出かけるはずなので、旅行の日程を決めてしまうというのが、少々不安なわけだ。だけど出発日も日数も決まらない状態では、ネットで料金を調べるといっても漠然としすぎて掴みようがない。なので、駅ビルにある旅行会社のカウンターに行って、フリーツアー、航空便とホテルだけのパックのパンフをゴソッともらってきて、料金を比較することから始める。

 こういうツアーは、出発日、使用する飛行機の便の時間帯、ホテルのランクなどで値段が変わる。週末の出発は高いとか、使いやすい昼間の時間帯の便は高いとか、当然ながらそういうことがあるわけだ。しかし何月何日から何日までで値段が変わる、というカレンダーは、それぞれのツアーによって違う。同じようだけど微妙に違う。だが、使用しているホテルはどこも、ほとんど同じようなものなのだ。函館にはずいぶんたくさんホテルがあるが、ツアーが設定されてパンフに載っているところはほとんど同じ大規模ホテル。そして、ロケーションは函館駅周辺か五稜郭方面に偏っている。

 ところが、自分が函館で関心を持っているのは旧市街の方で、そちらには大規模ホテルはほとんどない。いままで泊まったことのあるホテルは二カ所で、それ以前に古い銀行の建物を直したニューハコダテというぼろいホテルがあったのだが、これは途中で仕舞ってしまった。と、思ったらリニューアルして再開していたが、ファミリー向けの部屋とドミトリーになっていて、さすがにドミはパスなのだ。

 ともかく、自分が前に泊まったホテルのひとつは高くなり、ひとつは載ってないので、比較的旧市街に近いが泊まったことのないホテルを選び、料金比較を試みるが、前に書いたように変数がいくつもあるので、これをぬかりなく組み合わせて料金をはじき出すのがかなり面倒くさい。でもまあ、やりました。で、一見安そうに書いてあるツアーも、あとからプラスする料金が多かったりして、実はちっとも安くないのだな、というのがわかった。とにかく4泊5日でだいたい7万円台らしい。それでも、けっこう値段差はある。

 だがそれをやっているうちに、だいたいの仮定的日程が出てきたので、じゃあ9月末に5日間、シングルかツインのシングルユースで、ということで、ネットで探したら、「あら」。全然安いです、こっちの方が。面倒な計算も無しで。というわけで、いつの間にか旅行会社のカウンターが駅から消えた理由がよくわかってしまった。パンフをもらった会社はまだ駅ビルの中にあるんだけど、カウンターに座ってるお客さんはみんな年配の、ネット見てなさそうな人だものなあ。

 

2019.05.10

 今朝は暑くて目が覚める。起きてからも陽射しが強くて、鍔の広い日よけ帽をかぶって外出、どころか、ベランダの水やりにも帽子がいる感じ。

 

 徳間のゲラはたぶん来週頭になるので、ヴィクトリア朝に舵を切ってもまたすぐ途切れることになるから、取り敢えずということで、その後に書く函館を舞台にした新作についてあれこれ考える。建築探偵本編のラスト2作が函館で、角川からノンシリーズのミステリも1本函館舞台で書いたので、その頃は数年の間立て続けに函館に行っていた。資料を引っ張り出したら、最後は2012年らしく、するともう7年行ってないことになる。恐ろしいことに、こんな場合時間の経つのは早いです。

 というわけで、本屋にガイドブックを立ち見しに行ったら、前に何度も泊まったホテルは名前が変わっているし、泊まった後で耐震問題で廃業していた古い銀行の建物を使ったホテルは、きれいにリニューアルしているし、新しいカフェはいくつも開業しているし、というわけでちょっと浦島である。航空券とホテルがくっついたフリーツアータイプだと、出てくるホテルはたいていファミリー向けだし、もっと安いホテルもいろいろあるけど、さすがにドミトリーは気が進まない。いまはツアー形式でなくても、安い航空券はあるのだろうなと思いながら調べると、航空券だけならやはりLCCは格段に安くて、しかし自分はちょっと偏見があるのだ。以前、取材で編集者と行くのに土壇場でフライトキャンセルにあって、羽田で半日待たされたことがある。空いていたからそうなったんじゃないかというわけ。そうでなくても機材に余裕がなかったりするんじゃないかって。

 

 帰宅してネットであれこれ調べ。実は考えていた設定が、ガイドブックに紹介されていた函館が舞台のマンガと重なる部分が多くて、こりゃあかんなあ、となってしまったんである。前途多難。

2019.05.09

 昨日は新美術館のトルコの至宝展から、北浦和のブラジル先住民の椅子展に回った。後者は去年庭園美術館で見た展示だが、連れ合いに是非見せたいと思ったから。そして前はカメラを持っていかなかったので、見ていいなと思った椅子を撮したかったから。その椅子がこれです。亀ですね。

 

 ちまっと小さい。

 こっちはエイの形の椅子。

 

 今日は久しぶりに編集者が仕事場に来るので、部屋を掃除して花など飾ってみました。

 

 

 一輪挿しは連れ合いの木工作品。お皿は2年前の「はんのうものづくりフェア」で購入したお気に入り。今年のフェアは5/17から19です。

 

 

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