篠田真由美お仕事日誌

2017.06.23

 上高地から帰ってきました。建築探偵の『一角獣の繭』を書く時に舞台モデルにしたんで、立て続けに4回くらい行ったんだけど、それから6.7年ぶり。
 最初の日は朝5時に家を出て、カーナビに惑わされたせいでちょっと所要時間がかかってしまったが、沢渡のバスターミナルで車を低公害バスに乗り換え、大正池で下車したのが確か10時15分くらい。ここから途中の田代池あたりの景色が、大好きなもののひとつなのだが、突然バスから一緒に降りた頭の禿げて腹の出た男性にツレがなれなれしく話しかけられ驚く。女房に心筋梗塞で死なれて一人暮らしで、料理なんかできないからコンビニ弁当ばかりだとか、年金暮らしだから上高地は高くて宿泊できないとか、勝手にべらべらしゃべるが、歳は63だと聞いて内心べっくり。どう見ても73だ。料理のできない男は老化にまっしぐらですね。数日前の毎日新聞でも「自分は精神的に妻から自立しているから濡れ落ち葉ではないが、食事は全部妻任せ」という60代男性の話が載っていて、「それは自立っていわないし」と突っ込んだ。ともかくその変な親父のおかげで、大正池の景色をゆっくり眺められなかったのが残念なり。
 ケショウヤナギ、ハルニレ、カラマツ、カツラと新緑はそりゃもう美しくて、梓川の水は澄んでいて、しかるに最近あまり歩いてなかったせいか、途中バスターミナルと明神で小休止して、かなりよれよれと徳沢に到着13時半ごろ。カフェで野沢菜チャーハンと蜂蜜トースト、カフェオレを食す。14時チェックイン。徳沢園は上高地でも伝統のある古い宿だが、いまは長野の古民家を移築した立派な木造の建物に、李朝家具やガラス器が飾られたえらくおしゃれなたたずまい。個室と二段ベット式客室があるが、後者も夜行列車の二段寝台を広くしたくらいのスペースがきっちり壁で仕切られていて、プライバシーは保てるようになっているところが、山小屋とは全然違う。シーズン前で空いているおかげか、10畳に板の間、テラスつきの広い和室をもらえる。風呂に入って、カフェでビールを飲んで、うだうだしていると6時の夕食タイム。これがまた美味しいだけでなく、食器も盛りつけもきれいでビックリ。信州牛のステーキまで出た。
 しかし夜半前から雨音が響き、これはもう仕方ないと覚悟を決める。7時の朝食を済ませ、頼んでおいたおむすびの弁当を受け取って、全身雨具に身を固め傘を差して出発。1時間の横尾山荘から川筋をさらに1時間、涸沢への登り口の手前までは、地形図を見る限りアップは少ないのでそこまで行くという当初からの予定を敢行する。5月より6月は野草の花が少ないなと思っていたが、目が慣れてきたせいもあるのか、まず咲き残りのニリンソウを発見したのを皮切りに、つぎつぎと小さな花が目に入ってくるようになる。キノコと同じで、目が慣れないと見つけにくいんだと思う。
 横尾山荘で紅茶を一杯飲んでから、横尾大橋を渡っていよいよ山深い中へ。左手に屏風岩という岩塊が怪異な姿を現し始める。雪渓のまだらに岩を走る滝水。いつか川にも雪が被さり、その下を水が流れている。途中一カ所だけコースを雪が覆っている箇所有り。傘を片手だからステッキはそもそも持ってきていない。けっこう緊張して雪の上を渡る。ようやく本谷橋までつくが、雨風吹きさらしでとても吊り橋を渡ってみる元気はなし。あとでビジターセンターに行ったら、今日の涸沢はヒュッテの下まで雪に覆われていた。あわよくば、などという野心をくじく光景。そう考えれば、この雨も遭難の危機を回避させてくれた恵みの雨といえる。帰路はずいぶん楽な気がして横尾山荘に戻り、トイレの前の軒下のベンチで珈琲を湧かして弁当。往復四時間。
 驚いたのはこの晩の晩餐で、連泊したら飯はどうなるのかなと思ったら、なんと特別メニュ。それも美しい夏野菜のオードブルに、イワナの燻製に、茶碗蒸しに、ラムとフォアグラのソテーが出て、最後に鴨のしゃぶしゃぶと美しいデザートが。前の晩のご飯もちゃんと美味しかったけど、2泊目は「いいんですか?」と聞き返したいような大ご馳走で、徳沢園は2泊しなきゃ嘘だわ、と激しく思ったのだった。
 翌日はゆっくりバスターミナルまで戻り、帰路は諏訪の片倉館で温泉に入って蕎麦を食べて、銘酒真澄の酒造で買い物をして帰ってきました。あー、さてさて、仕事せにゃ。

2017.06.19

 真夏の暑さになりました。ひい。しかし上高地は一番長く歩く予定の中日が雨になるらしい。どの程度の降り方になるかはわからない。まあそこは考えても仕方ない。というわけで、日記の更新は20から22までお休みになります。

 ヴェネツィアもの、やっと160ページを突破。目標月末200ページ。来月中アップ。

読了本『サマー・オブ・ナイト』 ダン・シモンズ 扶桑社ミステリー 再読。やっぱり面白かった。建物が老朽化して、この夏限りで廃校になる田舎の小学校。そこで同級生の弟が行方不明になる。さびれつつある田舎町に忍び寄る魔の影。その正体を探っていた天才少年は、土地の資産家がヨーロッパ旅行から持ち帰った骨董の鐘の存在に気づく。その来歴をたどるとボルジア家の最初の教皇が鋳造させたものだが、さらに以前は古代エジプトの神殿から持ち出された鉄製のオベリスクだったとわかる。さらに鐘には不吉な伝説がまつわりつき、学校の鐘楼に吊されてからも、無実の罪を着せられた黒人がリンチで絞首刑にされたという忌まわしい過去が判明した。しかしそれをクラスメートに告げる前に、少年は事故に見せかけられて惨殺されてしまう。
 エジプトは製鉄技術を持っていなかったので、もちろんその鐘の来歴はフィクションだけど、他のことはかなりリアルに進行し、家の地下室やベッドの下の闇に怯える子供の心理と伝奇的魔の侵攻がシンクロして、大人は理解してくれない、子供たちだけで戦わざるを得ないことになる。

 今回、アメリカン少年もの、とでもいうべき作品を『スタンド・バイ・ミー』『少年時代』『サマー・オブ・ナイト』と読み比べて、超常の要素が後になるほど大きいけど、読み味には不思議なくらい共通点が多いのを感じた。作者はいずれも歳が近く(生年はキング47年マキャモン52年シモンズ48年)、物語の舞台は繁栄しているとはいえない田舎町、年代は1960年代初頭、主人公の歳は11歳から12歳。そしてその視点人物が小説家志望であるというところで、ラストを現代まで引っ張らなくても、物語はノスタルジーの色合いを帯びる。
 家は貧しく親は暴力的、いじめっ子は残忍、世界は不条理。しかし自分たちは野放図でめげず屈せず、夏の日々は永遠に光の中で輝いている。そんな物語世界というのは、決して自分の経験的記憶とそのまま重ね合わせられるものではないが、ときどき読みたくなるね。子供のときはアメリカ製のホームドラマが日本で放映される最盛期だったから、ダイニングとキッチン、二重ドアにヒーター、巨大な冷蔵庫といった、アメリカ的世界はモノクロ映像で見ていた。その辺の記憶とは重なり合う。もっともホームドラマの家は、日本人の目にはまぶしいほど立派で豊かに見えたけど、小説の中の家はたいていもっと貧しくて、親はアル中だったり、ピーナツバターとボローニャソーセージのサンドイッチがお昼だったり、憧れの要素はないけどさ。

2017.06.18

 昨日は真夏並みに暑く感じたが、今日は朝から空が灰色。気圧が低いせいが頭が重くて眠い。来週の上高地行きの用意をする。しかし寒さがどれくらいのものか、よくわからないので困ってしまう。自分はだいたい汗かきなので、気温が低くても歩いていれば身体が熱くなるし、登りになったら絶対汗を掻く。
 しかし登山地図を睨むと、どう考えても涸沢ヒュッテまでは行けないだろうな、という気がする。高度差が600メートルとかね、半端ないので、雪が残っていようがいまいが無理でしょうと思う。等高線、すごく混んでいるところが続くし、最近近場のハイキングもそんなにしてないくらいだし。まあ、ひとりではないので、そこは様子見ながらということ。

 読了本『リーシーの物語』 スティーブン・キング 文藝春秋 小説家の夫に急死されて2年、ひとり残された妻のリーシーは、ようやく夫の遺品が大量に残る仕事場の片付けに手をつけるが、彼と暮らしてきた日々の事件が次々と記憶の中になまなましくよみがえる。『IT』で多用された、時間の中を連想につれて自在に飛び回る記述が多用されているので、正直な話かなり読みにくい。斜めに読むとすぐ話の所在がわからなくなってしまう。まあ、記憶の想起というのは、時間軸に沿って真っ直ぐ進行するわけではないから、その意味でリアルではあるのだが、その中に現在時点でヒロインを襲う事件が入り交じり、さらに夫が被虐待児であったこと、父親からの家系に狂気の血筋があること、それは異世界にワープする能力と同義であり、ヒロインもその世界を垣間見ること、ヒロインの姉がやはり心を病んでいて、ともに異世界にワープすること、といった、伝奇的、ファンタジー的な要素も入り交じり、さらには亡き夫の原稿を口実に襲いかかる異常なストーカーによる流血沙汰という、要素まで入ってきて、かなり大変なことになる。
 好みか好みでないかといったら、自分的には好みではない。

『ライディング・ザ・ブレッド』 スティーブン・キング アーティストハウス キングが電子出版で出した中編小説の翻訳。母ひとり子ひとりの大学生アランは、母が脳梗塞で倒れたという電話に、ヒッチハイクで病院を目指すが、古い墓地で自分と同年の死者の墓を見た直後、その死者が走らせる車に乗り込んでしまう。べたな怪談のプロットに異様な迫力を与える描写のマジックと、予想を覆す展開。そして、人生の寓話といいたいような幕切れ。これは読んで損はなかった1作。

2017.06.17

 昨日は先日見損なった上野の東京芸大Study of BABELを見に上野へ。その前に黒田記念館の横にある上島珈琲店でランチ。晴れているけど風が気持ちいいので、屋外で飲食するには日本でごく少ししかない理想的な気候だった。ここはいつも混んでるな、という印象だったが、二階にも席があることを今回遅まきながら発見。寒い時はここを使うといいね、とツレと話す。
 都美術館で展示しているブリューゲルのバベルの塔を、ほぼ半分拡大して立体にしたものと、あの会場で見られる動画を半円のスクリーンに投影したものが見られる。しかし、これだけ拡大しても鑑賞に堪えるものを、あの小さな画面に描きこんでいるブリューゲルの超絶技巧。ほとんどキチガイ(賛辞ですぜ)。
 バベルの隣には法隆寺の釈迦三尊像を、芸大が実測した上で3Dで出力、さらにそれを原型に金銅で鋳造して古色をつけたものと、消失した金堂壁画の観音像の復元が展示されていて、これもすごい見応えがある。どちらも時代が下がってからの仏教芸術とは明らかに異質で、日本古代の国際性をひしひしと実感させてくれる上に、こういう簡単には見られないものを間近に眺められるようにしてくれる、現代の技術のすばらしさを痛感した。
 それから大江戸線に乗って中井まで行き、ツレが見ていない林芙美子記念館を見る。住んでみたくなる家と、愛しい庭だけど、蚊が多くて大変。それから予定では哲学堂に回るつもりだったが、あまりに暑いので断念して中野駅まで歩く。ブロードウェイのまんだらけを覗いてから、中央線で荻窪。名古書店として著名なささま書店へ。西荻でも思ったけど、中央線の古本屋は本の質が良くて値段は神保町より歴然と安い。ミステリ関係に強い古本屋を見つけたいな。『成吉思汗の後宮』 小栗虫太郎 桃源社を店頭105円でゲット。他にも心の動く本があったが「もしかして持ってないか?」と思ってグッと踏みとどまったらやっぱりあった。やれやれ。ほんと記憶力のやばいこと。でも踏みとどまれたのでよしとする。
 その後駅前のうなぎの串焼きで酒を飲ませる川勢へ。うなぎのレバとか、ヒレとか、下ごしらえにすごく時間がかかるんじゃない、といいたいようなものが食べられます。たれは辛め。肉の部分も蒲焼きと違って蒸してないので、歯ごたえと野趣がある。

 今日ゴーヤの花8番目が開花。1番と2番を収穫。本年初ゴーヤなり。去年は6月に気温が上がらなくて、花は4つまでしか咲かないし、実も育たない始末だったが、今年はまあ順調かな。ミニトマトがようやく赤くなってきたが、重さで茎が曲がったりして大変。

2017.06.15

 昨日はマイミクのひかわさん、K教授と、西武球場前のゆり園にゆり見物。数年前に出かけた時は後期だったのではないかと思う。咲いていた百合の種類が違っていたような。しかし、黄色、オレンジ色、白、濃紅などが入り交じって、それが林間の谷間の斜面を埋めているところは、なかなかの壮観でありました。ゆり根の天ぷらも美味しいです。そこからゆりかもめみたいなちっちゃな電車に乗って、多摩湖のほとりにあるホテルの狭山茶の湯というお風呂に日帰り入浴。

 今日は図書館で原稿書きました。明日は火曜の用事を滑らせたんで、外出日です。日記お休みします。

 読了本『11/22/63』 キング 文藝春秋 死病にかかった男が自分のダイナーの裏手に1961年に通ずるタイムトンネルを持っていて、それでケネディ暗殺を阻止しようと企むがうまくいかず、しかしもはや寿命がない。仕方なく知り合いの男にトンネルの秘密と暗殺阻止の使命を丸投げし、自殺してしまう。主人公はやむを得ずオズワルドの身辺を探りながら、彼が他の黒幕などない、単独犯の暗殺者であることを確認の上で、なんとかその命を確実に奪って暗殺を阻止しようとする。しかし生活費を長持ちさせるため、教師になった主人公は、心から愛する女性と出会ってしまい、その人に秘密を持ち続けることの苦しさや、彼女を追ってきそうな元夫の恐怖に苦しむ。
 タイムトンネルというべたな仕掛け+ケネディ暗殺阻止というこれまたべたなネタを、かなりねちこく細部を積み上げて積み上げて進んでいく物語の仕掛けが炸裂するのは、歴史の改変が現代にどんな影響を及ぼすか、というこれまたべたなSF。その結果は相当に、いってしまえばアホなのだが、アホをアホといわせないだけの積み上げがそこまであるので、けなすにけなせねえぜっというのが、さすがキングです。
 そしてラストは、時間ものSFのお約束である泣かせ。泣かなかったけどね、お見事だったと思います。

 いまは『リーシーの物語』の上を読み終えたところ。でも、これはいまいちかな。キングは時間線をあちこちに行き出すと、読むのがしんどくなってくるんですね。それと、ストーカーとか暴力とか、特に女性がいたぶられるシーンは好きじゃないので、男がいたぶられるのもやっぱり好きじゃないけどね、適当に飛ばしてしまいますよ。

2017.06.13

 今日は出かける予定だったが、朝から音で目が覚めるくらい雨なので、歩きには向かないと思い延期。明日は曇りだけど雨は降らないらしい。友達と西武球場前のゆり園に行く予定。あ、だからたぶんブログは休みます。

 だったら図書館で仕事しようかと思うが、今日は怠け心の方が勝ちをしめてお尻が上がらず、仕事場でたらたら続きをやることになる。なんだか妙に眠いんだ。猫は雨の日眠いというが、自分も今日は猫っぽい。肌寒いんだけど、長袖着ると暑いような、半端な感じで頭もいまひとつ切れが悪い。

 キング読み続ける。描写のうざいところは斜めにする。暴力描写6ページとか、全部おつきあいすることはあるまいと思う。歴史改変を試みる男の話で、例によって道行きがとても面白いのだが、この作品の場合作者の方が大きな負債を負っている。というのは、ケネディがリー・オズワルドに暗殺されたというのは、我々にとっては現実なので、主人公が失敗するという結論は最初からわかってしまっているわけ。多元宇宙に分岐する、という仮説はキングは採用してないので。その辺の意外性はない設定で、どこまで読者を引っ張っていくかというのが、作者の手腕の試されるところなわけだよ。
 それと、これはいってもしかたないことだが、ケネディ暗殺を阻止することはそんなに絶対の正義かな、というあたりだね。アメリカの中東政策には反対でも、ツインタワービルのテロを止めるためにテロリストを殺さざるを得ない、ということなら、それは仕方ないかもねと思う。あの未曾有の大破壊は、いくら虐げられた者たちの巨大なアメリカに対する反撃だよといっても、正当化はできないでしょう。でも、ケネディ大統領って、いまにいたるまでアメリカでは「殺させてはならぬ存在」なのかな、と、そのあたりはいまひとつぴんとこない。切実に共感できない。

2017.06.12

 横山茂雄先生が出るというので、NHK/BSプレミアムの「幻怪!超常ファイル」という番組を録画して昨日見たのだが、NHKがこんな番組を作るのかという点で、まず呆れてしまった。一応話のオチはちゃんと、UFOの正体もこっくりさんの解明も、リアルなところへ持って行っているのだが、そこまでの道行きが安っぽいったらありゃしない。アナウンサーの声の震わし方なんて、北朝鮮のマンセー節かってなもんで失笑。恥ずかしくないのか。いやきっと恥ずかしいだろうよ、まともな人間なら。
 そして予想していた通りに、横山先生の出番は一瞬で終わった。なんのために出したのかといいたくなる一瞬ぶりでありました。ご存じない方のために説明しておくと、先生には『なにかが空を飛んでいる』という、UFO論の古典的名著がある。つい近年国書から再版されましたが。それから青春ホラー小説の名作『アクアリウムの夜』の著者でもある。ペンネームは違うけど。そんでこの本は角川スニーカーに一瞬入ってすぐ消えたんだが、その解説は篠田が書いていますので。

 来週は上高地なので、足慣らしにハイキングに行こうかと思ったが、原稿も書きたい気分なので、電車に乗るのは止めて近場に行く。多峯主山のてっぺんでお昼を食べて戻って2時間ちょい。歩数は13000歩ばかり。ランチ・バイキングならぬランチ・ハイキングであります。

2017.06.11

 天気はそんなに悪くないし、暑すぎもしないし、夜もまあまあ寝ていたのに、なんかだるい。日曜だけど図書館で仕事する気で、飲み物や弁当の心づもりもしていたのに、仕事場まで行って迷う。だがこのまま動かないと、一日なにもしないことになりそうだと思い、根性で図書館へ。開いて3分くらい過ぎていたが、気に入っている席が確保できたので原稿の続き。しかし冷房の効きすぎで1時くらいで撤退。一応書くと決めていた章の切れ目まで行ったので、まあこれでよしとする。

 水漬けパスタはマカロニでも有効だった。弁当にするには長いのより短いのの方が食べやすい。そして前の晩に水につけておけば茹で時間8分とかかかるマカロニも1分でOKだ。時間が気になる朝は、これがとても便利に思えるのでありますよ。まあ、バリカタのアルデンテでないと認めないという方には、あんまり向かないかもだけど、柔らかすぎるってこともないしね。今夜はツレにスパゲティナポリタンを食べさせる予定。茹でて、トマトソースと合わせる時はまた火が入るから、茹で時間はさらに短くて良さそうな気がするっす。

 盛林堂で水玉さんの同人本を買ってから、また水玉さんのSFマガジンエッセイなどをぱらぱら見返している。最近エネルギーが不足して、萌えるものにも事欠く自分からすると、いっそうらやましいオタクぶりがまばゆい。この人は篠田より6歳下で、55歳の若さでなくなってしまったけれど、こういうのを萌え尽きた、いや萌えが尽きたわけではなく、自らの命すらもやしてしまったのだな、という気がするのだった。

2017.06.10

 梅雨入り宣言した途端に、雨は降らずに真夏的お天気。かなり暑い。ベランダで蚊に食われる。うおお、かゆいっ。

 ミニトマト、青いまま重さに耐えかねて落果。ネットで調べたら漬け物にして食べられるそうだ。しよっ。もったいないもん。
 ゴーヤ、雌花4つめ。太くて短い実がついております。

 キングの『11/22/63』読みかけ。タイムトンネルを通って、ケネディ暗殺を阻止しようと奮闘する男、という、すごくシンプルなプロット。

 高校のクラス会の通知届く。迷いもせずに欠席の答えを書く。自分は人としてなにか欠けているのかもしれないが、45年間会う機会もなく会いたいとも思わなかった人間と、いまさらわざわざ出かけていって会う気持ちがまったく湧かないんだから仕方が無い。別に誰のことも嫌っているわけではないが、関心が持てないのだ。都立文京高校1972年卒業のEクラスの皆様、どうぞお幸せに。

2017.06.09

 梅雨入り宣言したとたんに雨降らず。よくあること。

 ネットのお料理情報で、パスタを半日水没させてから茹でると、生パスタのような食感になって、しかも茹で時間は1分で済む、というのがあって、やったみたら本当だった。自分、もともとあんまりアルデンテなのは好きではないのだ。茹ですぎを炒めたりは論外だけどね、茹で時間が短いのはせっかち人間としてはグッドだよ。と思ったが、その前に半日の時間が要るわけで、果たしてせっかち向きなのかは、よくわからん。まあ、とにかく美味かった。

 久しぶりに図書館へノーパソ担いで。ネット見たり、読みかけの本を読んだりの誘惑から離れて、仕事に集中。やはりこの方がよさげ。

 読了本『少年時代』 ロバート・マキャモン 文春文庫 やはりこれはいい小説だった。ファンタジーというのは独立型と額縁型、大きく分けて2パターン。前者が『指輪』後者が『ナルニア』といえば、ファンタジーものにはわかりやすい。しかし後者の変形というか、視点が現実から異界に移行するのではなく、異界から現実になにかがやってくる、というタイプがある。これはどちらかというと、ファンタジーよりホラー。常ならぬものが現実を脅かす、というやつです。
 しかしこの『少年時代』はもう少し微妙で、現実の中にきっちりと線引きがないまま、幻想領域が混じり込んでいる。視点人物が子供で、子供にとっては紛れもない現実と魔法が地続きだから、こういう離れ業が可能になるのだ。無力な子供は親という運命の暴力にもてあそばれるが、そこを生き延びることもまた可能なのだから。移動カーニバルの見世物小屋には本物のトリケラトプスがいて、小屋を潰して逃げ出し森に住み着く。空に投げ上げて、落ちてこないボールは、記憶の中にダイヤモンドのように輝く。
 この小説で好きなところをあげようとすると、たくさんありすぎて大変なので、夏休みの始まりの日、友達や愛犬と駆け回る主人公が、当たり前のように背に羽を生やして飛ぶ、なんともいえず美しいシーンを書いておこう。この12歳の一年の内に、彼が失う愛犬、彼が逝かれる親友。しかしこのときはまだ。鳩山郁子のマンガを彷彿とさせる名場面です。

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